皆に溺愛されている件について 【ONEPIECE 短編集】
第2章 マニキュア 【ユースタス・キャプテンキッド】
キッド「おいナツキ、ちょっと来い。」
「…あ、はい!」
時間になった。夜20時、3日に1度その時間に船長の部屋に行ってしてもらうことがある。
キッド「そこ座れ。」
「はい。」
キッド「手出せ。」
椅子に座り、船長に手を差し出す。手を差し出すというよりは、爪を見せる。
キッド「…」
手慣れた手つきで、除光液で爪のマニキュアを落としていく。
船長と付き合って1年半。いまだに敬語は抜けないし船長呼び。
「船長……その…自分で…出来ます…たいへ」
キッド「俺がやりてぇからやってんだ、黙ってろ。」
「…はい…。」
船長とお揃いの黒いマニキュアを爪に塗っている。自分が勝手にお揃いにしたくて、マニキュアを買い、爪に塗っていた。でも船長にバレて……
*
キッド「おい…マニキュア塗るようにしたのか?」
「え…あ……せ、船長の真似です。」
私は微笑み爪を見せる。
キッド「……来い、俺が塗り直してやる。」
船長は私の爪を見つめて、口角をあげてそう言った。
*
それからというもの、3日に1度、夜20時になると、船長が塗り直してくれる。