皆に溺愛されている件について 【ONEPIECE 短編集】
第10章 泣き虫で狂暴 【ロブ・ルッチside】
「うわぁぁんっ…!!ひっぐっ…!」
今日もまた、鼻をすする音と共に聞こえる泣き声。
ルッチ「はぁ…。」
カリファ「大変ね、泣き虫の彼女さんを持つと。」
そう言い、クスクスと笑うカリファ。
ルッチ「全くだ…。」
ソファーから腰をあげ、泣き声のする方へ向かう。
「!…ルッチぃ…。」
ルッチ「今日はどうなさったんですか?」
「ぐすっ……スパンダムが…私のお昼食べた…。」
ルッチ「…はぁ…。」
大抵、泣いている理由は大したことではない。これでCP9の総監なのだ。
スパンダム「かっ、代わりをお持ちしました~!!」
長官が両手に何かを持ちながらこちらに向かってきた。
スパンダム「ぎゅ、牛丼です…!」
「…カツ丼が良かった…。」
スパンダム「す、すみません!!……チッ…。」
「…」
舌打ちが聞こえたのか、彼女は長官の顔面を手で鷲掴みをして、地面に押し付けた。
スパンダム「ぐへっ!!??」
「…はぁ…。」
ルッチ「…」
俺はとんできた牛丼を片手で取り、後ろ姿の総監を見つめた。