皆に溺愛されている件について 【ONEPIECE 短編集】
第39章 あなたのことだけ 【サボside】
*
ナツキの意識が戻ったのは次の日だった。
「ごめんね…ちょっとヘマしちゃって……。」
苦笑いを浮かべる彼女に対して、ホッと安心した。
サボ「…心配した。」
「ごめんね。でも大丈夫、死んでないよ。」
そう言い、彼女は俺の頬に手を伸ばしてさすった。
サボ「っ……。」
感覚がある。体温が……温かい。彼女が生きているという何よりの証拠。
サボ「っ……ばか。勝手に死にそうになるな…っ……。」
俺は涙をこらえて彼女を抱きしめた。
「っ…ごめんっ……。」
彼女の声が、震えていた。
*
「サボ、痛い。」
サボ「あ、悪ぃ。」
俺はきっと、彼女がこの世からいなくなったら……きっと後追いをするほど……彼女を愛している。
あなたのことだけ Fin