第2章 2
『だから、、悔しいけど、ありがとうございました!!じゃあ!』
そう言うと彼女は律儀に一礼をしてすごい速さで走って俺の前からあっという間に居なくなってた。
彼女は俺の事が好きじゃない。
たぶん苦手な部類だろう。
今まで見た事ある顔は驚いた顔、呆れた顔、怒った顔、悲しい顔...
だから彼女が頬を染めながら恥ずかしそうに感謝の言葉を述べる顔はとても新鮮で初めて彼女の表情に色が着いた。
「うーん」
困った。非常に困った。
傑に言った言葉『飽きたら止める』が当分、来ないかもしれない。
もう一度、彼女の色づく顔を見たい。
彼女が頬を染めて、恥ずかしがる顔
彼女が俺に笑いかけてくれる顔
彼女がまだ見せた事のない顔を見たくて仕方ない。
「また明日、会いに行こう」
きっと彼女は『コイツまた来たのか』って顔をするだろう。
それでも俺は彼女がまた色づく所を見たい。
そう思って、俺も彼女と反対方向に歩きだし帰路についた。
次にお店に行けたのはあれから2週間経っていた。