第5章 野薔薇
side 伏黒恵
-原宿駅-
「一年がたった4人て少な過ぎねぇ?」
アイスを食べながら言う虎杖。
お前も甘党派なのかよ?
「じゃあオマエ今まで呪いが見えるなんて奴会ったことあるか?」
「.....ねぇな。」
「それだけマイノリティなんだよ、呪術師は。」
「ていうか俺が4人目って言ってなかった?」
『入学は随分前に決まっていたみたいだよ。こういう学校だし何かしら事情があったのかもね。そいえば虎杖くん、制服間に合ったんだね!』
「おうっ、ピッタシ!でも伏黒と微妙に違ぇんだな。パーカーついてるし。」
「制服は希望があれば色々いじってもらえる。」
「え、そんな希望俺出してねぇけど」
「それは五条先生が勝手にカスタム頼んだからだろ。桃花の制服も五条先生の独断と偏見だ。気を付けろ、五条先生そういうところあるぞ。」
「へぇ、桜木の制服めっちゃ可愛いよな!すげぇ似合ってる!」
だからどうしてこいつはこいうい恥ずかしい台詞をさらりと言ってのけるのだろうか。
「てか桜木、今日はコンタクト付けてるの?」
『ぅ、うん...やっぱりまだ人の多いところは...怖くて...』
「そっかぁ...桜木の眼、すっげぇ綺麗なのにな!俺は好きだよ。」
『....!ぁ...ありがとう....虎杖くんもパーカー付きの制服凄く似合ってるよ!』
恥ずかしそうに顔を赤らめる桃花。
そんな表情は俺以外には向けてほしくないのに...。
気持ちがモヤっとする。
「それよりなんで原宿集合?」
『本人がここがいいんだって!』
「あれ、てか五条先生は?」
「少し遅れて来るらしい。五条先生、こういうところもあるぞ。気を付けろ。」
3人で待ち合わせ場所へと向かい歩き始める。
「お!アレ食いたい!ポップコーン!」
こら、勝手に行動すんな。