第9章 チューベローズ *
深く深く舌を絡めて合ってお互いを求め合う。
中に入っていないのに、一つになっているような快感と満足感。
桃花を介抱する為の行為のはずだったのに、僕までたっぷりと満たされてしまっている。
「...はぁ、桃花、.....僕のこと好き?」
『ぁ、ンッ!すきっ。だいすき...っ。さとるっ、さとるっ、もぉ...!らめっ!また...キちゃぅ...っ。』
「うん、いいよ。僕のこと見て?僕の名前呼びながらイッて。」
『さとる、さとる、しゃとるぅ...あ...っ!すき、すき....っ!さとるぅっ!』
ビクビクと身体を震わせて果てる綺麗な桃花。
そのままスゥ...と眠りに落ちていった。
「.....桃花、可愛い...っ。....っ、』
眠りについてしまった身体に、自分の快楽を求めるために腰を動かす。
「.....っはぁ、桃花.....ごめん.....っ。...っ...!」
上り詰める寸前、自身の手で昂りを擦り上げ白濁した欲を桃花の白く綺麗な身体へと思いきり放つ。
「...はぁ、はぁ...、」
綺麗な身体が僕の欲で汚れる姿は何と美しいのだろうか。
ゾクゾクと身体が震えた。
「......桃花、僕も大好きだよ......。」
桃花の僕に対する“すき”は幼い頃から変わっていないのだろうけれど。
桃花と初めて逢った日、幼いながらもその美しさに目を奪われた。
きっと既に心も奪われてしまっていたのかもしれない。
“桜眼の瞳”
それは満開の桜が人を惹きつけてやまないように美しく儚い。
「...くく...っ。恐ろしいね。」
どんどんと桃花の綺麗さに皆心を奪われてしまう。
だからお願い。
これ以上、綺麗にならないで。
閉じ込めて
ボクダケノモノ
にしたくなってしまうから。