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呪術廻戦 -桜色の瞳-

第8章 ライラック *




至近距離でパチリと合う目。
ドキリと心臓が跳ねる。

「....しゃ-け。」

私の頭をゆっくりと撫でて、おでこをピタリとくっ付ける棘先輩。

『.............っ、』

(ち、近い...っ!)

『.......ぁ、あのっ....!と、げ.....せんぱ.......んむっ。』

私の唇に人差し指を押し付けて
“し-”と言うような仕草を見せる。

先日海へ行った時の電車での出来事を思い出してバクバクと大きく動き始める心臓。
ピタリと背中へとくっ付いている恵に伝わってしまうのではないかと変な心配をしてしまう。

そのまま棘先輩の顔がどんどんと近付いてきて.....
私の唇に押し当てた人差し指の上から優しくチュッとキスをした。
唇には棘先輩の温かな指の感覚しか伝わってこないけれど、わずか数センチの距離に反射的にギュッと目を瞑る。

『.....と、げ.....せんぱ、ぃ......っ。』

棘先輩の名前を呼んだ少し開いた唇の隙間から、押し当てられていた人差し指が口内へと滑り込んでくる。

『.......ぁ、のっ.......。』

更に早くなる鼓動。
棘先輩の人差し指が歯列をなぞり、舌の上をそっと擽る。
真っ直ぐに私を見詰める棘先輩の綺麗な目は、いつもと少し違って熱がこもっている様に見えた。
背中に感じる恵の体温、息遣いが分かるほどすぐ目の前に居る棘先輩と、口内に入れられた人差し指に何だかイケナイ気持ちになってきてしまう。

「....桃花....。」

『....っひぁっ....ンッ!』

寝ぼけているのか、恵の手が私のTシャツの中へと滑り込んできて素肌に触れる。
突然のことに変な声が漏れ出てしまい、更に目の前の棘先輩と目が合って恥ずかしくなる。

「ツナマヨ....。」

先輩が目を細めてくすりと笑うと、私の口に入れた指を二本に増やす。

『....んンッ....。』

棘先輩の指が舌の上をまた擽り、閉じることの出来ない口の端からツゥっと唾液が垂れて伝っていく。
恥ずかしくて更に熱くなる身体。
先輩が指を引き抜くと口の端から垂れた唾液をぺろりと舐め上げる。


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