第8章 ライラック *
「夏よ!!!!!」
特訓の合間、皆んなで階段に座り休憩を取っていると野薔薇ちゃんが腰に手を当てて仁王立ちしながら大きな声で私達に向かって叫ぶ。
『夏だね!』
「夏と言ったら!?」
『う〜ん.....花火かな!』
「そうね!!」
先日行ったばかりの花火大会を思い出してそう答えた。
同時に悠仁にキスされたこと、お嫁さんになってほしいと言われたことを思い出してしまい顔が熱くなる。
「真希先輩は?」
「バーベキュー。」
「そうですよね!!」
「アンタは?」
順番に問い掛けていく野薔薇ちゃん。
「............風鈴。」
「は?」
「俺はビキニのお姉ちゃん。」
パンダ先輩がすかさず答える。
「まだ聞いてね-わ。でも悪くない答えね。」
「ツナマヨ!」
棘先輩は何て答えたのかな。
「そう!!!夏と言ったら花火!バーベキュー!水着!!!それから海でしょ!?!?!?」
『海!』
「海行きたい!!真希さん海行きましょう!!!」
キラキラな笑顔の野薔薇ちゃん。
海って今まであまり行ったことがないから行ってみたいかも!
皆んなで行けたら、楽しいだろうなぁ。
「あ"?こんなあちぃのにわざわざ外に行くか、馬鹿。」
「行きましょうよ-!!この間桃花と買い物に行って、可愛い水着、買ったんだよね-?桃花の水着すっごくエッチで可愛い....
「「「「行く。」」」」
野薔薇ちゃんが話し終える前に全員の声が揃った。
でもあれ、一人声が多いような?
棘先輩の方に顔を向ければ、パチリと目が合う。
にこりと微笑む棘先輩。
あれ、今棘先輩も“行く”と言ったのだとすれば...これ、
強制決定になったのでは...?