• テキストサイズ

【鬼滅の刃】あかいえにしは ゆめをみる。

第1章 序章


「巫女に因んで神子さんなんてどうでしょう?」

「わぁそのまんま…」

「ド派手に天神で決まりだな!」

「イヤです」

「炎とかいてほむらと読むのはどうだろうか!」

「素敵な名前ですけどそれはちょっと。」


「ひより。」

耀哉さんの拾いやすい声に皆反応する。微笑んだままの耀哉さんは続いて言った。

「あかにえにしとかいて緋縁。君と会ったのも何かの縁だ。だからこんな名前にしたんだけど…どうかな。」

胸にストンと落ちた気がする。耀哉さんのフワフワする様な声のおかげか、はたまた別のせいか。まるで最初からそんな名前だったかの様に、「緋縁」は私の中に馴染んでいった。

「…緋縁がいいです。耀哉さん。」

「…それはよかった、緋縁。」

改めてよろしくね、と彼はにっこり微笑む。なんだかドキドキする。子供が玩具を貰ったときの様な高揚感だ。何故私は。

そんなこと、考えなくとも分かっていた。

(嬉しい、んだ。名前をもらえて。名前を呼ばれて。あぁ、うん。)

嬉しい。

転生なんてにわかには信じられないことになって、前世のことももう朧げだけど、私は、あのときの、あの子のいるときの様な『幸せ』を、微かに感じた。
/ 56ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp