第1章 理想のペアVSはるか博士の発明品
「あなた、オレたちが負けたらどうするのですか……」
「チェストプレスたちの言いなりになる。ジャッカルが」
丸井が笑顔でそう言うと、6番コートの金網の向こう側にいたジャッカル桑原が「おい、オレかよ」と言っている声がしたのでした。
「……合宿所のメンバーほぼみんな来てしまったようですね。さすがに騒ぎになりますか」
木手は目を閉じ、首を振ります。
「さ、日が暮れる前に決着をつけようか」
「ところで、相手はテニスが出来るのですか?」
「出来るみたいだぜ。ほら」
丸井が指さすと、チェストプレスAとBはテニスラケットを持って準備完了の状態です。
「………」
木手は何も言えなくなります。
ワンセットマッチ、理想のペアとチェストプレスAとBの試合が始まりました。
「ここのところ、テニスが人間相手じゃありませんよぉ。気のせいですかねぇ」
最初に木手がサーブを打ちます。すると、チェストプレスBが打ち返すとき、
「モシ、オ~マ~エ~ラ、マ~ケタ~ラ、パンツイッチョウデカタクンデスゴシナ」
と、言って打ち返しました。
「最後らへん、早口で何て言ったかわからなかったが、パンツイッチョウだけは聞こえた」
次に丸井が打ち返します。