第1章 理想のペアVSはるか博士の発明品
「このセット取ったら、まだあと1(ワン)ゲーム残っていますよぉ」
「ああ、あいつら、また何を言ってくるのか。今回、いろんな意味で苦戦するな」
「こんな試合は、もう懲り懲りですよぉ!」
木手はチェストプレスBのサーブを飯匙倩(ハブ)でまた再び打ち返し、理想のペアは5ゲーム取りました。
次にサーブが理想のペア側で木手が打ったときのことです。チェストプレスAもBも動かなくなってしまいます。何と、バッテリー切れになったからです。チェストプレスたちはバッテリーで動くトレーニングマシーンでした。
「ゲームアンドマッチオレたち、6ー1(シックスゲームトゥワン)」
丸井は木手にグッドサインを出し、
「やれやれ」
木手はほっとした表情で丸井とバッテリー切れで停止になったチェストプレスAとBも交互に見ました。
「オレたち、負けてたらスッパダカになって危ないところだったよな」
丸井もほっとし、木手にそう言います。
「………」
木手は少し赤くなった表情で腕を組んでいました。
その後、齋藤コーチはチェストプレスAとBを錦小路はるかに返品理由を述べた手紙も入れ、返品したのでした。