第1章 理想のペアVSはるか博士の発明品

　チェストプレスＢが変わった動きをしたことで、理想のペアは何かくると緊張した面持ちでラケットをかまえました。



　チェストプレスＢのサーブが今度はまともであり、木手が打ち返すと、チェストプレスＡが仕掛けてきます。



　「オ～マ～エラ、マ～ケ～タラ、ケーツマールダシ！」



　「えっ！？」
　チェストプレスＡの言葉がこのとき、はっきりと聞き取れていた丸井は顔が赤くなり、チェストプレスＡの打ち返した球を空振りしてしまったのです。




　「０ー１５(ラブフィフティーン)ですね」



　次に、チェストプレスＢがサーブを打つとき、仕掛けてきます。



　「オ～マ～エラ、マ～ケタラ、ミ～ニスカ、ハ～キナ」



　「ますます冗談じゃありません」
　チェストプレスＢの言葉に木手は打ち返すとき、いつもより力が入ってしまいました。



　「木手、強く打ちすぎだ」
　丸井が注意したときにはチェストプレスＡは高くジャンプし、青学の桃城の得意技にそっくりのダンクスマッシュを決めたのでした。



　「０ー３０(ラブサーティー)……」
　コールをしながら、木手は丸井と頬に汗を流し、動揺していました。