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独歩吟客-囁か-

第4章 ぱらぱら



だが安易に質問を、しようにも中々出来ない

「あれ?天音は?」

「今日はマフィアだそうです」

「そうか(···マフィアの匂いとは違う匂いがするんだよな)」

血の。匂いと····林檎


ーーーーー····


シュルシュル、パチン
「出来ましたよ、澁澤さん」

「······」

「何かあれば、鈴を鳴らしてください。失礼します」

「···夢を見た」

「夢?(喋れる)」

「深い深い海の底に沈んでゆく私の手を誰かが掴んで目が覚めた」

「その人は澁澤さんを心配してるんですね」

「心配などいらぬ··」

「おやすみなさい」

「待ちたまえ」

くん
「どぉ!」

「···君の目を見せてくれないか?」

「後では駄目ですか?」

むぎ
「嫌だ」

「ちょっとだけですよ」
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