第7章 紅蓮に燃ゆる
お館様に呼ばれ、無限列車の任務を任された。
この時が来たと思った。お館様も苦渋の決断だったそうだ。
俺は俺の責務を全うする。そして家族の元に帰るだけだ。
『煉獄さん、お久しぶりです。皆さんお元気ですか?』
『胡蝶か!皆息災だ!憂がそろそろ復帰するそうだな、また宜しく頼む!』
『いえ。此方こそ復帰を促してしまいすみません。何せ人手が足りなくて、優秀な人材が必要なんです』
『そう言って貰えるなら憂も嬉しいだろう!本当に、宜しく頼むな!』
『煉獄さんも、お気をつけて。』
その日の夜夕餉の後任務に出ると皆に話した。
子供達はまだ分かっていないのか、応援してくれている。
この子達の元に無事に帰って来れる様にしないと。
千寿郎も、父上もいつも通りに接してくれた。
憂も覚悟を決めた顔だった。
翌日私は蝶屋敷へと来ていた。久しぶりに来たが変わりの無い様子に安堵した。私の部屋もそのままだった。埃がないのはきちんと清掃してくれていたのだろう。
『よし、頑張ろう!』
久しぶりで腕が鈍っていたが数時間するうちに昔のように戻っていた。
午後を周り鞄の中を開くと杏寿郎さんに渡した筈の御守りが入っていた。
『嘘っ、なんで?、まさかあの子達の仕業ね。』
子供達が今朝荷物を散らかしていたのを杏寿郎と片付けていた時に間違って入ってしまったのかも知らない。
兎に角、今日コレがここにある事が問題なのだ。
この御守りは常に杏寿郎の側にあり彼を守っていたのだから
汽車の発車まで急げば間に合う。届けなければ。
『迷ってる場合じゃない!急がないと!』
書置きをし鞄を持って走り出した。
はぁっ、はぁっ、息が苦しい、喉が痛い、足がもつれる、早く、早くと願うのに足が動かない。
諦めない!後少しなんだから!心を燃やせ!!
沈む夕日を睨んで走り出す。
その頃駅では大量のお弁当を頼んでいる杏寿郎がいた。
炭治郎や善逸、伊之助も同じ駅で騒いでいた。
発車まであと少し。