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貴方の色に染めて[鬼滅]

第6章 哀しみの色は何色ですか?


家では汗だくな子供達と千寿郎、そして涼しい顔をしている槇寿郎が中庭にいた。
私達の姿が見えると小さな2人は駆けてきた。

『『ちちうぇー!ははぅえー!おかえんなさぃー!』』

杏寿郎の腕に小さな体が飛び込む、軽々と2人を抱き上げる。

『ただいま、いい子にしていたか?沢山汗をかいているな。父と湯浴みでも行くか!』
わぁーい!と喜ぶ子供達と家に入って行く。

『お義父様、千寿郎くん、今日はありがとうございました!お土産ありますので、夕餉のあといかがですか?』
『わぁ!ありがとうございます!2人ともいい子にしていました!』
『うむ、2人とも筋がいい!流石私の孫たちだ!』

うん、うん、と、頷いている。

着替えから、お風呂場へ着替えを持って行く。
中から楽しそうな声がした。

夕餉を千寿郎くんと準備をする。

子供達の話を聞きながら
夕餉を食べお土産のお団子を食べている途中にうつらうつらとする子供達を抱き離れへ寝かす。

後片付けは杏寿郎さんが千寿郎とすると言うので
湯浴みを済ませ、私も離れへ帰る。
『聞きたくないな…、ダメダメ!煉獄家の妻たるもの!堂々と受け入れなくてどうするのですか!』
パァン!と両頬を叩く。
痛い。力加減を間違えた。

『ふぅ、大丈夫!いい事しか考えない!大丈夫!言霊だいじ!』

フンフン!しながら寝室へ向かう。

寝室の前の縁側に腰掛けて月を見ている大きな背中を見て
決心が揺らいだ。
ギッと軋む音にゆっくりと此方を見た彼の瞳は憂いに帯びていた。
『(怖いのは私だけじゃないよね。)お待たせしました。』
『こっちへおいで、一緒に月見をしよう。』
『はい、今日は一段と月が近いですね、手が届きそう。』

子供の様に手を伸ばした私の手を握る。

『憂月が綺麗ですね』
『えぇ、あなたと見る月ですから。この月の下なら死んでもいいわ』
額を寄せ合い笑い合い触れるだけの口付けをする。

『近いうちに大きな任務がある。無限列車で多くの人が行方不明になっている。隊士との連絡も途絶えた。十二鬼月の可能性がある。柱である俺が呼ばれたのだから、それなりの覚悟が必要だ。』

『(俯いちゃダメ、泣いちゃダメ、)杏寿郎さん、私は貴方が大好きです。皆の為に闘うその背中を誇りに思います。私の責務は貴方の帰る所を護る事です。私は貴方の帰りをお待ちしています。』

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