第4章 家族の色は何色ですか?
食事が終わり後片付けを無理矢理手伝ってから
離れに移動する。今日は沢山の事があり嬉しい事も沢山あった。
それから蝶屋敷までは距離があり道中危険だと言う杏寿郎に
まだお腹も出ていないから大丈夫だと諭したりそれでも何かあっては困ると眉を下げて言われてしまえば返す言葉も無くなる。
『お父様すみません、付き添っていただいてしまって。』
『かまわん、何があるか分かったもんじゃ無い。君はもっと自覚した方が良い。顔立ちもいいんだ。変な輩にでも襲われたら、杏寿郎は一生自分を責めるだろう。私だってそんな思いはさせたく無い。』
『はい、肝に銘じます。……あの、私はお母様の様な立派な母になれるでしょうか?ちゃんとこの子を育てられるか心配です。』
俯き自分のまだ出ていない腹を撫でる。
『瑠火もそんな様な事を言っていた、だが杏寿郎が守る。俺がそうであった様に、杏寿郎は俺よりも立派な父になれる。俺には守れなかったが、アイツならやり切るだろう。瑠火にそっくりだからな。』
『そうですよね!今更不安がってもダメですね!杏寿郎さんも千寿郎くんもお父様もいますしね!』
その後も蝶屋敷まで杏寿郎の小さい頃の話を沢山聞かせてもらった。
槇寿郎の表情は懐かしさで遠い日を愛おしそうに思い返していた。
順調に私達の未来は進んでいたと思っていた。