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貴方の色に染めて[鬼滅]

第3章 夫婦の色は何色ですか?


『私は自分の愚かさを周りから教えられたんだ。酒に溺れて大事な物を自分で壊してきた。杏寿郎は強い子だ。母を亡くし荒れた俺を世話し、千寿郎を見てきた。瑠火の血を色濃く引いている。私にできる事は過去を悔いる事じゃない。今あるべきものを守る事だ。
あいつに教わってしまっては、父親失格だな。瑠火にも呆れられてしまう。』

ひとつも聞き溢さぬよう、横顔を見つめる。

『君は瑠火に少し似ている。初めて来た時から凄まじかった。』
『あれは、私もやり過ぎました、恥ずかしいので忘れてください///』
『君がいなければ、私達家族はこんな穏やかな日々を送れなかったよ。杏寿郎を選んでくれて本当に、ありがとう。』
『っ、私こそ、っ、ふ、杏寿郎さんと出会えて、お父様と千寿郎くんと家族になれる事、これほど嬉しい事はありません。
杏寿郎さんを産んでくださりありがとうございます。』
涙が溢れそうだがにっこりと微笑む彼女を在りし日の愛しき彼女に重ねて幸せを噛み締めていた。

(瑠火、私達の子は立派に育った。君の様な素敵な女性と添い遂げる事が出来るようだ。)

『孫の顔も早く見せてくれ、女の子がいなかったからぜひ頑張ってくれ!』
『はぃぃっ!頑張ってみます!』

『冗談だ、君たちのペースでいい。そろそろ部屋へ戻ったほうがいい。風が冷たくなってきた。』

冷えた風が吹き抜けぶるっと身体が震えた。
羽織のおかげで身体は暖かいままだったが、戻った方が良さそうだ。
『その羽織は君が使いなさい。物も使ってやらんと寂しくなってしまう。おやすみ』

後ろでに手を振られて振り返す。
『ありがとうございます!おやすみなさいませ。』

振り返るとお風呂上がりの杏寿郎にぶつかった。
『今日はもうゆっくり休もう。』
(聞いていたのかな?耳が赤い?愛らしい人)

2つの影は暗闇に溶けていった。
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