第3章 夫婦の色は何色ですか?
『憂!俺も柱になって落ち着いた頃合いだと思う。そろそろ式を挙げてもいいと思うのだが、』
『!もう夫婦のつもりで居たから忘れてた!』
憂は目をクリクリさせていたので
半分は忘れていたのだろう。
『煉獄憂にはなってくれないのか?』
手を握られ伏し目がちにし、手の甲に口付けられる。
『///イエ、ゼヒ!!』
カタコトになってしまった。
私の両親は数年前に流行病で亡くなっている。
2人は周りが羨むオシドリ夫婦だった。
私も両親の様になるのが夢だったりする。
『神前式だが、御館様の御厚意で仲間も参列してくれる。』
『蝶屋敷のみんなはきてくれるかな?』
『その事も問題は無い。代わりの者を呼んでくださるようだ。』
いつにも無く穏やかな笑みをしている。
私まで幸せになってしまう空気だ。
仲間から大事にされている彼を誇らしく思う。
式の日取りも、改めて煉獄邸に挨拶に行き、
千寿郎くんからは、姉さんと呼ばせて欲しいと言われ2人で照れながら練習した。
そんな、私達を槇寿郎さんは瑠火さんの遺影の横で優しく見守っていた。
『杏寿郎、余りにも遅いものだから憂に逃げられたのだと思っていたぞ。やっと孫の顔でも見られるんだな。おめでとう。』
槇寿郎様に言葉を掛けていただいて、
杏寿郎と私は涙ぐみそうになった。
『父上、ありがとうございます。生涯を掛けて大事にしていきます。
孫の顔も見れるのもすぐだと思われます!!!』
『‼︎‼︎(いい過ぎだよ!、杏寿郎!)』
『兄上!僕は叔父さんになれるのですね!!姉上!頑張ってください!』
『気が早いよ、みんな///』
似た美丈夫な男性に押され気味になってしまった。
あいさつを済ませて今夜は煉獄邸に泊まる。
熱いお風呂もいただき縁側で熱をさます。
『風邪を引いてしまうぞ。女子は身体を冷やしてはいかん。』
槇寿郎が羽織を抱えて近くへ来てそっと掛けてやった。
『!これは、お義母様の大事な物では?』
掛けてくれた羽織は生前瑠火が愛用していた品だ。
それを哀しそうな愛おしい物を見る瞳で槇寿郎は話始めた。