第23章 藤の華に揺れる〜❶〜
冨岡の作る料理は鮭が多かった。
ŧ‹"ŧ‹"ŧ‹"ŧ‹"と無言で食べ嬉しそうな顔の彼を見て微笑む。
3人で黙々と食べていると杏寿郎が立ち上がった
『うまかったご馳走様!俺は任務があるのでこれで失礼する!』
そう言って風の如く去って行ってしまった。
『行ってしまわれましたね…』
『…煉獄はいい男だ。誠実真面目だ。』
『?そうですね、…きっと素敵な家庭を築きあげますね、』
『…?隣はお前じゃ無いのか?』
『私には、務まりませんよ、もっと素敵な方が居ます。』
『そうか?そんな事はないと思う…』
『いいんですよ、良家の血は途絶えたらダメです。煉獄家なら尚更です。冨岡様はいつお帰りになりますか?』
『……俺もこの後出なくてはならない。』
『分かりました。』
スクっと立った冨岡もゆっくりとした足取りで外へ向かう。
その後をついて行く。
『・・・雨が降る。戸締りをちゃんとするんだぞ?』
空を見ると晴れていて雨雲などひとつも無かった。
『…?はい、分かりました(降るのかしら?)』
サァァーっと風が吹き、姿を消す。
『何故柱の方たちは消える様に去れるのかしら?…風が冷たくなって来たわ、』
洗い物をしていると、ザァーっと雨の音がした。雷も鳴っている。
『本当に降って来た、雨戸閉めないと!』
言われた通りに戸締りをしっかりとして行く
こんな急な雨に打たれる隊士がいるかも知れないと手拭いと着物を用意しておく。
ガラリと玄関の開く音がして急いで行くと、
そこには、