第23章 藤の華に揺れる〜❶〜
『…俺が起こしに行ってやるよ、まだ支度あるんだろ?』
『あ、お願いします、』
パタパタと去って行く後ろ姿をニヤニヤと悪い笑みを浮かべ、冨岡の居る部屋へと向かう。
襖をスーっと開けると未だ布団に横になりスヤスヤと寝ている
『……派手に面白い事が起きそうだな、 冨岡、起きろ、』
『…宇髄か、憂が来ると思っていた。』
『ふーん、手出したのか?』
『…寝た。』(←ただ寝ただけ。)
『はっ?お前そりゃねーわ、煉獄に殺されるぞ。』
『煉獄は…隊律違反はしない。それに煉獄と恋仲なのか?』
『いや、違うと思うが』
『なら問題無い。俺は責任を取るだけだ。』
『え?責任ってお前そんなまさか』
『朝餉を食べに行くんだろ?早く行こう。』
未だに唖然としている宇髄をすり抜けて昨夜の部屋に向かう。
中からいい香りが漂っていた。
『おはようございます。冨岡様、サケ大根良く味がしみていますよ、』
にっこりと笑いご飯を手渡すと、手ごときゅっと握られる
『義勇、そう呼ぶ様に言ったのを忘れたのか?』
『え、あの、…え?言われましたか?』
『言ってなかったか?…義勇と呼んでくれ。』
『あ、義勇様?』
スパーン!!!
襖が勢いよく開いた。
そこには会いたかった人が眉間に皺を寄せて額に青筋をたてていた。