第23章 藤の華に揺れる〜❶〜
『あ、あの、冨岡様、困ります、ダメですっ!!』
何を考えているか分からない男こと、冨岡義勇寝ぼけて厠の帰りに
憂の部屋に入ってしまいそのまま布団に潜り込んでしまった。
ぎゅうぎゅうと抱きしめられて、離れようにも力が強かった。
スースーといい寝息を聴くと起きない事が分かった。
もう諦めてこのまま寝てしまおう。
『初めて抱きしめられたな…見た目よりも力があるのね、流石は柱ね、、』
明け方冨岡は隣の温かさに不思議に思い手を動かした。
柔らかいフニフニとした物が手に触れると
揉んでみる
『(宇髄か…、こんな小さくは無いな、)…何でここに居るんだ?』
暑かったのか頬をピンク色に染めて寝ている憂
の尻を鷲掴んでいた様だ。
もう一度サワサワと撫でると
『ん…とみ、おか様?おはようございます。』
寝ぼけ眼の憂が挨拶をして来た。
『…義勇だ。憂責任は取るからな。』
『ん?何の事ですか??』
『大丈夫だ。憂の口からは言わせないからな。とりあえず部屋に戻る。憂、また後で。』
それだけ言うとまだ薄暗い中を部屋に戻って行った。
不思議に思いつつもまだ寝ぼけていたのでもう一度布団に潜り込んだ。
この出来事で一波乱あるなどと思わなかった。
朝餉の支度をしていると小さな温泉が気に入ったのか
湯上がりの宇髄と出会した。
『おはようございます。宇髄様、新しい手ぬぐいをどうぞ、朝餉の支度も整いましたのでお部屋におもちします。』
『おはよう。ありがとな、そうだ、昨日は毛布ありがとな、冨岡は部屋に戻ったのか?朝起きたら居なかったな』
『///そうですね、お部屋にいるのではないでしょうか?今から起こしに行きますので…』
『…冨岡と何かあったか?その反応、派手に分かりやすいな!言うよな?煉獄に余計な心配掛けさせたくないよな?』
煉獄と言う名前に顔を赤く染めて反応した事に
少し驚きつつも探りをいれる。