第22章 ヒメゴト⑥[バレンタイン]
『憂ちゃん以外の手作りは要らないなんて、一途だねぇ、』
『宇髄にだけは言われたく無いな!それにしても貰い過ぎだろ。俺の2倍はあるな!』
『この時期は一年分のチョコを見てるよ。消費に困るから近所のちびっ子達に配ったりしてるよ、』
『だから既製品なのか、それなら親御さんも安心だな!宇髄がそこまで考えているとは思わなかったな!』
照れてそっぽを向く宇髄を見てにんまりと笑った。
そこへお盆を手に持ち憂が戻って来た。
『お待たせ〜、熱いので気をつけてくださいね、』
『ありがとう憂。』
『サンキューな、好きなの開けていいぞ!』
『わぁーい!どれにしよう、、』
真剣な眼差しで箱を見る。中身が分からないので可愛らしいラッピングのモノを選んだ。
中からはリスの形のチョコが出てきた。
『可愛い〜!美味しい〜!しあわせ〜!』
可愛いと言ったのに無情にもひと口で頬張る憂を見て2人は固まった。
『憂ちゃん、可愛いかったら少しは躊躇するんじゃない??』
『可愛くても食べ物なので関係ないです!』もぐもぐ
杏寿郎は思い出した
小さな頃からどんなに可愛らしい物でも食べ物なら憂は躊躇無く食べていく、頭から。
千寿郎の方が食べられ無くて可愛かった事を。
『うむ!俺たちも開けよう!芋の入ったチョコは無いのか?』
『んなもんあるわけ無いとは思うが、この量見たらあるかも知んないな。』
裏の成分表を見ながら探す、ついでにお酒入りのを避けてやる。
間違って子供にあげない様にだ。
憂は1人で黙々と食べていた。
『このチョコお高いやつ!うわぁー!美味しいよー!やっぱり大学生は貰うチョコのレベル高いね〜!あっ!これは!限定のやつ!TVで見たやつ!!3粒で3千円するやつ!ひゃー!』
『派手に喜んでるな、鼻血出すなよ食べ過ぎて、』
『日本酒の入ったのならあったがやはり芋はないか。でも他のも美味いな!憂あまり食べ過ぎるとご飯が食べられなくなるぞ』
『はぁーい、これで最後にします!(ん?中に何か入ってた、でも美味しい〜!)』
『おっ、もうこんな時間だな、俺は帰るな、』
『うむ!玄関まで見送ろう!』
『宇髄さん、また来てくださいね!』
『煉獄のお許しがおりたら来るからな!』