第22章 ヒメゴト⑥[バレンタイン]
『今日は、バレンタインだから!!誰にも内緒で作って来ました!!このチョコの口紅!!それでー、私を食べてって♡きゃー///破廉恥!!』
ベットの上で転がる変態、こと煉獄憂今日の為に
全身ピカピカにしてきました!
あとは兄であり恋人の杏寿郎の帰りを待つのみ!
パパママはデートしてくるってわざわざ仕事終わりに待ち合わせだって、千にぃは女の子達に帰して貰えないだろうし、
早く帰って来ないかな〜!
恋人になり始めてのバレンタイン!!
かなり力を入れて作ったこのルージュチョコ!
あとは主役が揃えば文句無し!!
『はぁー!早く帰って来ないかなぁ、』
ソファーの上でゴロゴロしていると鍵の音がした
犬の様に玄関まで行けば扉が空くと同時に飛びつく
『お帰りな、さいーん?いつもと抱き心地が、ーー!わぁー⁉︎宇髄さんすみません‼︎‼︎』
ボスっと突っ込んでいった先は兄では無くその友達の宇髄さんだった。
『いい体当たりだったな、憂ちゃん、兄ちゃんじゃなくてごめんなぁ〜、派手にちっせえな!』
ぎゅーと抱きしめてウリウリされる、
『宇髄、憂が潰れてしまう、後早く入ってくれ袋が破れそうだ、』
そう言われて兄を見遣ると両手にぶら下げた袋と腕の中にある紙袋
どうやら沢山、たっくさーん、チョコを貰ったようだ。
『わりぃな!煉獄、憂ちゃん、一緒にチョコ食べよーや、有名どころのだから美味いぜ!』
『この量の、チョコは2人が貰ったの?』
机の上に置いてみたがお店が開けそうだった。
包装紙を見る限り手作りは無さそうで安心した。
有名な高級チョコレートに私も目をキラキラさせていたのがバレたのか、宇髄さんが笑っていた。
『はっ!すみません、私ったら、宇髄さんコーヒーでいいですか??』
『可愛いなって思っただけ、ブラックで頼む、』
『はい!にぃは緑茶?紅茶?コーヒー?』
『緑茶でたのむ!!』
キッチンへと憂が行ったのを見送り宇髄と2人きりになる。
『今年は派手に多いな、しかも既製品オンリー。去年言った事が守られてるなぁ〜、』
『本命は受け取れないからな、それにお返しも無しなのに渡してくれる気持ちまで無下にできなくてな、』