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貴方の色に染めて[鬼滅]

第21章 吾輩は猫である。名前はマシロ


それに猫の私から見ても分かるくらい杏寿郎は憂一筋だったから。

私がこの家に連れてこられた日憂と出会った。
仔猫ながらにこの女の子に世話させるなんて大人は自分勝手だと思ったが生きていくのは簡単じゃない、
ならこの子に可愛がってもらうしかないと思った。

私を見て一瞬目が輝いた気がしたけど、中々触れてこない。
私から近寄っても逃げる。この子私の事嫌いなのかな?
絶望感でいっぱいだった。捨てられるかもしれない、こんな小さな子供に命を預けるなんて、早々に不安が募る。
ご飯もまだカリカリは食べれない。ミルクを少し飲みゲージの中で気ままに過ごす。
そんな日が続きある日その人はやってきた。
金に光る髪と赫
大きな瞳に本能的に威嚇する

『杏寿郎、猫ビックリしてる、』
『何故だか俺は動物に最初はビックリされる!でも動物は大好きだ!みたところ元気そうだが』

『でもご飯減らないの、っ病気かな、私のせいでっ、この子死んじゃうかもしれない』

『泣くな憂、大丈夫だ、抱いてもいいか?』
そっと檻が開けられ私に手を伸ばす。顔より下に出された手をクンクンと嗅ぐ。
久々に人の温もりでも感じるかと前脚を乗せると、見た目よりしっかりとした手つきで抱かれる。

ほほう、これはにゃんとも。

思わずミャーと鳴いてしまう。

『憂仔猫はまだ硬いご飯が食べられないんじゃないか?千寿郎が後からご飯を持って来るからあげてみよう。』

『っ、そうだったの?私、何も分からなくてごめんね、』

そう言って女の子は私を初めて撫でた。
そのすぐ後にまた人がきた。同じ顔が2つありまたビックリしていると小さな手に美味しそうな匂いのするご飯があった。
後から来た子の手のひらでもぐもぐ食べていると
3人が見つめていた。

『憂この子の名前は?』

『まだ考えて無くて、ご飯食べないのが心配過ぎて、』

『真っ白な猫だな!いい名がつくまで真っ白と呼ぼう!』

『なるべく早く名前つけてあげるからね、ごめんね、』

ぺろぺろと手のひらを舐め終え、催促する様になけば
男の子は嬉しそうに目を細めてまたご飯をくれた。
本能的にこの子は安心出来る場所となった。
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