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貴方の色に染めて[鬼滅]

第20章 熱い先輩と冷たい後輩


その時からだった。
熱量が無くなったのは、もともと感情豊かでない子供だと分かっていたし、それでもいいと言う両親がいた。

杏寿郎も千寿郎も居たから誰に何と言われようが気にならなかった。
大きな手と小さな手の真ん中でいつも守られていたから。


『わっしょい!!』

ガタンっ!相変わらずの大きな声に物思いに耽っていた所を意識を戻される。

『美味しいです。』
もぐもぐと咀嚼していると槇寿郎さんがこれもとお皿にどんどん乗せていく。
『憂、いっぱい食べて大きくなるんだぞ!』
『あなた、そんなにのせて、バランスが偏ってますよ、お野菜ものせてあげてください。』
『むう、そうだな!ほら、いっぱい食べろ!』

『父上、母上、憂さんのお腹を破裂させる気ですか?』

『千寿郎君ありがとう、でも私いっぱい食べれるから大丈夫だよ?』

ニャー、
『無理しないでくださいね?マシロも食べ終わったの??脚の上で大人しくしててね、』
千寿郎君の脚の上で丸くなるマシロ。

煉獄家の男は良く食べる。
次々と空になる皿、瑠火さんは毎日作りがいがあると言う。
一緒にお皿を洗い拭いていく。

槇寿郎さんがマシロに構ってほしくてソファーに座る千寿郎の隣に座る。
動物は嫌いそうだと思っていたが、慣れたらしい。
マシロはじっと見つめた後槇寿郎さんの手の上に顎をのせる。
隣を見ると笑顔の瑠火さんが居た。
そっと無音カメラで撮った写真を瑠火さんに送ると、プリンを出してくれた。

杏寿郎はお風呂に行ってたらしく濡れた髪に上半身裸だったので
瑠火さんに怒られていた。
プリンを食べる私の手ごと奪い私のプリンを攫っていった。

『プリンが半分消えた…まだひと口しか食べてないのに。』

『っ、すまない美味そうに見えて、ひと口がデカすぎてしまった、俺のをやろう』

『当たり前。じゃ無かったら別れてる。』

ズギャン…ー破局原因がプリンなんて笑えない。

『よもや、危うかった……付いてるぞ、ここ、ん、うまいな』

口端についた蜜を舐められる、風呂上がりのせいでぺしゃんとしなる髪が色っぽくて、ズルいと思った。




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