第20章 熱い先輩と冷たい後輩
この頬を打たれたのは昼休みだった。
私は1人中庭でお茶を飲んでいたら、上級生の女子生徒が居た。
暖かくてのんびり出来る所だったから良かったのに。
(あぁ、またか)
その人達は私の前に立ちはだかりぎゃあぎゃあと騒ぎ立てている。
ボケーっと聞いていたら、気付いた時には頬を叩かれていた。
『はぁ、これで気が済みましたか?先輩がた。』
冷めた声と視線で相手を見る。
泣きも喚きもしないのが1番相手の闘争心を削ぐ。
私もやられっぱなしじゃつまらない。
『先輩方、私昨日杏寿郎が寝かせてくれなかったせいで疲れてるんで、1人にしてくれませんか?あ!何なら杏寿郎の性欲先輩達で少し発散させてあげてください!wWまぁ、お声掛かる事は一生無いと思いますけどねwW』
クスクスと悪女の様に笑ってみせる。彼女らは私の体型を見てから悔しそうな顔をして帰って行く。
ベェーっとその背中を、見送り再びゆったりと過ごす。
『いつまでそこで見ているんですか?宇髄先輩。』
目を閉じたまま話し掛けると動く気配を感じ取る。
『いやー、変なタイミングで来ちまって、派手に叩かれたな、』
冷たい缶ジュースを頬に当てられ顔を顰める。
『今日は過激派でしたね、、コレ貰っちゃいますよ?』
『頬冷えたら返せよ、ブラックなんて飲めないだろ?ってか毎日こんな目にあってんのか?煉獄は何してんだか。』
『…煉獄先輩には迷惑掛けられないですから。それに反撃しても悪化するなら現実叩き付けた方があの人達は静かなんですよ、煉獄先輩に相手にされないから私に八つ当たりって、本末転倒ですよね、余計に嫌われるのに。』
『お前なぁ、自分を大事にしろ?煉獄ならちゃんと守ってくれるぜ?』
『守られたくて付き合っている訳じゃないんで、温くなったんで返しますね。ありがとうございました。』
宇髄に向かって投げてから、校舎内に戻る。
『冷たいお姫様だこと。…派手に温いな、』