第18章 アナタの心を知りたくて
『んっ…あっ、だめ、くすぐったい…っ』
扉が閉まると同時に杏寿郎がキスをしてくる、唇以外に。
おでこや瞼、頸、鎖骨、ふわふわの髪が触れくすぐったい。
『逢いたかった。』
首筋に顔を埋め胸いっぱい息を吸う。
大型犬が戯れついてくる様だった、
『…っ私も、逢いたかった、っん、…ふっ…はぁ』
久しぶりの杏寿郎の唇や舌の感触、香り全部が待ち遠しかった。
絡める舌が熱い。この手も身体も覚えておきたい。
しっかりと身体に刻み込む。
寝室へ抱えられ寝かされる、器用に服を脱がされて行く、されるがままの私に荒々しい視線がささる。
そんな貴方でさえ、覚えて居たい。
下着姿の私の上に跨がり服を脱ぐ、鍛えられた身体にキュンとする。
まるで初体験と同じように。
ふっ、と杏寿郎が笑い言う。
『初めて憂とひとつになった時の様だな、』
『私も、同じ事を思っていた。あの時から私は杏寿郎の色んな顔が見たくて、努力してきたよ、それで今の私が作られてるの、だからちゃんと今までも私の為でもあった事なの。』
『そうか、俺は自惚れて居ただけだったのか、すまなかった。』
『杏寿郎の事は大事だよ。自惚れていてね、』
『よもや、そんな可愛い事を言われてしまったら俺は我慢出来なくなってしまう。』
『我慢しないで?私に杏寿郎を刻み込んで、、
杏寿郎、私ねパリに行きたいの。2年間だけど。』
『‼︎…そうか、俺は憂を応援する!』
『ありがとう、杏寿郎。----私達、別れよう』
『?!どうしてだ?遠距離でもいいじゃないか、』
『きっと毎日寂しくなる。それに杏寿郎はカッコいいから私より近くて美人な子の方が良くなるかもしれない。そんなの耐えられないから、それに何百年も待ったよ?たった2年だよ?私達ならまた、きっと結ばれるから、最後に、思い出ちょうだい?』