第18章 アナタの心を知りたくて
『っ、嫌だ、行かないで欲しい。そんな事を言われたら、俺は応援なんて出来ない。君の両親と約束したが、君を、2年という月日逢えないのは無理だ、俺はそんな寛大な男では無かった様だ。もう二度と離したくない。』
抱きしめる腕が震えている、涙が溢れる
『…やっと、杏寿郎の気持ちが分かった、そっか両親から私の夢の事を言われてたんだね、ねぇ、顔見たい』
そっと頭を撫でるとビクッと動く
『ダメだ、今は嫌だ!』
更に抱きしめてくる、若干苦しい。
『ふぅ、子どもみたい、杏寿郎。ねぇ、結婚しようか、私達。』
ガバッと杏寿郎が起きた。なんとも言えない顔をして、
『〜〜〜君は!そう言うとこだぞ!』
首筋に齧り付く。
『あ!ちょっと、』
『俺から言いたかったのに、今夜は覚悟する様に。暫く休みだと聞いているからな、寝かせないからな。』
『時差ボケで眠れないけど、手加減してください』
これから始まる甘い時間に覚悟する。
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結局どうしたかと言うと、パリには行った。
杏寿郎を連れて。
派手な彼は向こうでも受け入れられるのに時間は掛からなかった。
そして私の誕生日にプロポーズをされた、ファイアオパールという炎のような揺めきを放つ石の嵌められた婚約指輪だ。
『まるで杏寿郎の様な石ね、』
『店員さんに無理言って用意してもらったんだ、本当はもっと早くプロポーズする予定だったのだが、君に先を越されてしまったからな、』
『危なかったね!こんな素敵な物貰い損ねる所だったのね、』
『そうだな、危うく逃げられるところだった。はっはっは!』
夫婦になるまであと少し、、