第2章 瓶の中身は何色ですか?
黙々と仕事をしているとだいぶ日も傾きちょうど正午になろうとしたころ
ぐきゅるるとお腹が鳴いた。
『もうお昼かぁー、おにぎりでも食べて芋羊羹も食べよう!
そうと決まればお茶お茶ー、ふっふふーん♪』
戸を開けたまま給湯室へ向かったのだった。
『憂!居るか!一緒に昼餉でも食べに、、居ないのか、む!
これは!!』
お盆に大きめの急須と湯呑みを乗せて戻って来ると
見慣れた大きな背中が部屋の中で動いていた。
『あれ?杏寿郎?どうしてここにいる、の、、あぁーーー!!!!!』
『よもっ、もぐもぐ、憂の作るご飯はうまいな!うまい!』
もぐもぐと大きな口は私のおにぎり達を食べていく。
唖然とその光景をみていたら
『わっしょい!』
ビクー!!っとお盆の中の物がかちゃんと音を立てた。
『ひどい、私のご飯に芋羊羹。全部食べちゃうなんて、、はい、お茶。』
ぎゅるぎゅる鳴るお腹をもう隠す事もしないで
恨めしく熱々のお茶を入れてあげる。
でも美味しいって言ってくれたから
指先くらいは許してあげる。
『うむ!熱い茶ともよくあう!流石俺の憂だ!ははは!』
『怒ってるんですよ!杏寿郎さ!ん!』
熱々すら水のように飲むとおかわり!といい笑顔で言われたら
もう怒れないのはこの人は分かってやっているのだろうか。
『それで、杏寿郎くんは私のお昼ご飯をどうしてくれるのですか?』
『憂!昼餉を食べに誘いに来たのだった!つい美味そうな物があったもので、すまない!うまかった!』
『〜〜〜っ、分かったから、早く行こう?』
『照れてるのか?愛らしいな、』
優しい表情で目を細められたら、きゅんきゅんするでしょー!
今日はいい日だとるんるんしていた。
手を繋がれて歩くそんな2人の姿を屋敷内の隊士達は遠くから見ていた。
何人もの隊士が涙を流したとか流さなかったとか、