第18章 アナタの心を知りたくて
校舎に入るのは久しぶりで、懐かしい気持ちになった。
教室を覗くと皆んな真剣に授業をしている。
(杏寿郎は何処にいるかなー、)
『憂!捜したわよ!美術室に行くわよ、』
『はぁーい、』
教室棟を過ぎ美術準備室の前に着く。隣は社会準備室と書いてある。
コンコンとノックをすると中から気怠げな声がする。
『すみません、今日からデッサンのモデルの仕事で来ました、憂!入ってらっしゃい。うちのモデルの姫月憂です。』
入り口で隣の気配を探っていたら呼ばれたので中に入る。
『憂です。宇髄くん久しぶり』
『っ!久しぶりだな、派手に美人になりやがったな!』
『私達同級生なんです、良かった、4日間楽しくなりそう』
『それなら良かった、宇髄さん、よろしくお願いします。憂私は違う子の所に行かないと行けないの、』
『家からも近いし大丈夫ですよ!家着いたら連絡しますし、』
『何かあったら連絡いれてね!』
急いでいるらしく、素早く出て行った。
『そこ座れよ、憂がモデルだなんて偶然だな、ヌードでお願いしとけば良かった』
ケラケラと笑う姿は変わらない
『やめてよ、私の身体はこの先も1人だけの物なんだから。』
『へぇーまだ続いてたのなぁ、煉獄もその手の話はしないからな、』
『そうなんだ〜、私ここに居ることまだ知らせて無くて、隣に帰ってくるの??』
『あー、まぁ、な。』
なんとも歯切れの悪い返答だった。
『何か隠してる?宇髄くん。もしかして、杏寿郎浮気してる??』
『いやー、それはねぇよ。ねぇんだけど。』
宇髄の襟元を掴み揺らしているとチャイムがなり授業が終わった。
『じゃあなんで返答に困ってるの!!』
『ちょ!乗るな!バカ!』
ガラッと音のした方を見る、女子生徒が居た。
ソファーに座る宇髄の上に跨って座る憂の姿
『きゃー!お邪魔しました!!』
『なんでモデルの憂ちゃんが居るの?宇髄先生と付き合ってるの?!』
キャー!と女の子達は異常な速さで去って行った。
『あー、これはマズイ展開に、、』
『きっと授業の頃には広まってるだろぅな、』
案の定休み時間に私が居ること、宇髄先生とデキていると噂が出回ってしまった。