第16章 獅子と猫の鬼ごっこ[恋仲編]
『何故かって?あの女は俺が愛していたのに、俺には興味がまるで無いようなそぶりをする、最初は妬いてくれればそれで良かった。だがアイツはそんな事まるで無かった様に振る舞う。どんどん可笑しくなっていった。他の女と遊んでもアイツは俺を許す、ただ憂の心が欲しかった、鬼になれば全てが手に入る!他の女じゃ埋まらねえ、いくら抱いても喰っても満たされねえ!
憂を抱けば喰えば俺はもう未練なんかなく生きていける!』
ゲラゲラ笑う鬼に
杏寿郎は怒りでいっぱいだった。
『黙って聞いていれば、お前は自分の過ちにも気づけない程愚かだったのか、あの時意地でも俺の物にしておくべきだった。
お前がした事は全て許されない事だ。憂は俺がこの手で幸せにする。お前の出る幕はない!』
赫い炎を纏い斬りかかる。
『きょ、じゅろ、さ…』
隊士に運ばれる途中で意識を手放した
川の音がする、私ここを知っている、家族に内緒で遊びに来てた河原たんぽぽがたくさん咲いてて、
いつもあの子と遊んでた。
あの子?誰だっけ、
あの日いつものように2人で遊んでたんだ、
そうしたら、鬼が、、鬼に襲われたんだ、
あの子は私を護るように木刀を持って闘ってくれた。
なんで忘れていたの、あの髪色を背中を、すぐにあの人のお父さんが来て鬼を退治してくれた。
2人で怒られたけど、無事で良かったと抱き締めてくれた。
同じ顔だったな、、杏寿郎さんはあの頃から既に立派な方でしたね。
---憂!大きくなったら、立派な鬼殺隊士になって、迎えに行くから!それまで待っていてくれ!
---約束だょ!杏寿郎くん!憂待ってるから、
その日の夜高熱が出て暫く寝込んだ時にきっと記憶に蓋をしたの、大事な思い出と一緒に。