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貴方の色に染めて[鬼滅]

第15章 獅子と猫の鬼ごっこ[お付き合い前]


ある昼下がり、私は買い物へ町に来ていた。
少しだけ普段よりもお洒落をしたり浮かれている、
他のお店の甘味も食べたかったのでどのお店にするか
迷って居た。


『(新しいお店気になるなぁ〜、、あれ?人集り?何だろ、)』


ある店の前で人集りが出来ていた、甘味処であったので
興味が湧き近づくと聞き慣れた声がした。


『うまい!うまい!』
周りは積み上がる皿に盛り上がっているようだ、
『口の横に餡がついちゃってますよー、』

『む!恥ずかしいな!ここだろうか?』
『こっちですよ、ほら!』
隣にはピンクとグリーン色の髪の可愛い女の子。
仲睦まじく団子を食べていた。

その光景を見て泣きそうになった。
その場に居れなくて走って帰る。

(自惚れてた、わたしだけとか、そんな事ある訳ないのに、)

ボロボロと溢れ出る涙が染みをつくる。

『お似合いだったな、私とは正反対の可愛い子だった。

私、煉獄さんの事好きだったんだ、』

叶わない恋だった。
大丈夫、まだ戻れるよ。
無かった事にしよう。

それから暫く煉獄さんはお店にすら顔を出さない日が続いた。
余計な事を考えずに済んで良かったのかも知れない。

ただ、前の様に若い男のお客さんも多くなってしまって困っていた。
一時は居なくて他のお客さんもゆっくりいれたのに、客層が変わると店の雰囲気も変わる。
それでも商いだ、手を抜く訳にも行かなかった。

「聞いている??」
『あ、はい、すみません、次の休みは予定がありまして、』
ならべく事を荒立てない様に断る。
「また?本当は予定なんて無いんじゃないの?」
ジリジリと迫り来るので距離を取る、
「酷いなー、逃げる事無いじゃん」
腕を掴まれてしまい、背には壁、逃げ場が無かった。

『いい加減にしてください。お客さんだと思って低姿勢にしていれば。離してください、』

淡々と冷めた声で言う。

「怒ってる顔も中々いいな、でもこの顔を泣かせたらもっといいんだろうなぁ」

『(っ、気持ち悪い、煉獄さん助けて)』
ぎゅっとめを瞑り顔を背けた、ドゴォっと凄い音がして目を開けると
煉獄さんが男の頭を壁に押し付けて居た。

『憂、無事だったか?』

『っ、れ、ごくさ、っありがとうございます』
へたりと力が抜けてしまった。
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