第15章 獅子と猫の鬼ごっこ[お付き合い前]
『……喉渇いたな、』
ゆっくり起き上がると、柱に寄り掛かり寝ている煉獄がいた。
『(ずっと居てくれたんだ。寝顔可愛いな、)煉獄さん、煉獄さん、起きてください、、、熟睡してるのかな、、杏寿郎さん、』
小さな声で名前を呼ぶと形のいい眉が動き目が開く
『すまない、いつの間にやら寝てしまったようだ。』
バキボキと骨を鳴らし伸びをする
『熱も下がって体が軽いです!お薬が効いたみたいで、ありがとうございます。』
『…悪夢でもみたか?顔が疲れている様だ。』
『少し、昔の夢を見ていただけです。身体が弱ると気持ちも弱りますね、』
『…そうだな故人を思い出すのは時として辛くもなるな、それでも幸せだって、思える事も多かった筈だ。でなければ置いて行ってしまった側も報われないだろう。』
誰かを想って哀しい表情を見ると、この人もまた辛い過去があったのだろう。
ズキリと痛む胸、思い出したくもないのに。
幸せだった時間もまた忘れられなかった。
『煉獄さん、今日はありがとうございました。私はもう大丈夫なので、良ければさつま芋沢山取れたので如何ですか?御近所に配っても減らなくて、』
『さつま芋は大好物だ!ありがたく頂戴したい!!』
『ふふ。やっぱり、喜んでくれて嬉しいです』
『憂の笑顔はやはり愛いな!とても可憐だ!思わず抱きしめたくなるな!』
『…ありがとうございます///』
直球に言われてしまうと恥ずかしくなる。この天然の力は底知れないと思った。
煉獄が帰り戸締まりをしっかりして、もう一度寝る
薬の効果かグッスリと寝ることが出来た。