第15章 獅子と猫の鬼ごっこ[お付き合い前]
夢を見た、、、、
もう忘れたと思っていた。
忘れられたと思っていた筈だった。
昔恋仲だった彼、何度も浮気をし、その度苦しかった。
愛していたから、否、そう思わなければ生きていけなかった。
彼の愛の言葉は気付けばもう心には響かなかった。
泣く程嬉しかった言葉も、無理矢理にでも喜ばなければならない程苦痛になっていた。
何度も裏切られて心ほボロボロで、でも祖父母も気に入ってくれているから
私さえ我慢すればと
思っていた矢先、彼は私の前から姿を消した。
心配すると共にまた裏切られたと怒りさえも湧いてきた。
涙はもう出なかった。祖父母もやつれた私を思い何も聞いて来なかった。
暗い中でひとりで泣き崩れる過去の私を後ろで見ている嫌な夢だった。
ずっとこの悲しみからは逃れられないのだろうか。
冷めた気持ちになり、泣いていたわたしは消えて行った。