第15章 獅子と猫の鬼ごっこ[お付き合い前]
お昼用にもと沢山炊いていたのが瞬く間に終わる。
お汁も同様だった。
『煉獄さんは沢山食べるのですね、喜んでいただけて良かったです。』
『とても美味しかった!毎日食べたい位だ!言っておくが冗談では無い、真剣に言っているのを忘れないで欲しい。』
燃える様な瞳で見つめられ、顔が熱くなるのが分かった。
彼の手が私の頬に添えられてゆっくりと近づいてくる、ドクドクと鼓動が煩い。
ぎゅっと目を瞑るとおでこに何かが触れる
『憂熱があるじゃないか、今日は店は開けない方がいい。ゆっくり休むんだ。解熱の薬を持っているのでこれをやろう。ご飯のお礼にはならないが』
『っ、ありがとうございます、ありがたく頂戴しますね!』
『もっと早く気付ければよかったのだが、浮かれてしまっていた様だ、不甲斐ない。』
しゅんと眉が下がり大きな犬の様になってしまった。
『久しぶりに誰かとご飯が食べられて私も浮かれてしまいました、一緒ですね、』
『よもや///君こそしっかり暖めて寝ないとダメだぞ!そんな弱っている所を他の誰かが見たら襲われてしまうからな!男は皆狼なのだから!』
『じゃあ、私は煉獄さんに食べられてしまうの?』
『っ///ふー、こんな状況で煽ってくれるな、これでも我慢している。君と想いが通じる迄は我慢する。いい子だから寝なさい。』
『///はぃ、おやすみなさい。』
暫くすると憂の寝息が聞こえてきた。
家の中には仏壇があり写真が4人分
箪笥の上には祖父母と思われる写真に写る憂
不自然に憂の隣だけが破られている。
幸せそうな表情をしていた。
寝顔を見つめるうちに眠気が襲って来た。