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永遠の恋〜⁂番外編⁂【イケメン戦国】

第8章 偽りの食事会


ーえいっ! やあぁー!

安土城内の道場では、今日もまた、うら若い乙女達の勇ましい掛け声が響いている。

キリリと着こなした袴に襷掛けをして薙刀を振るう姿は、普段の柔らかな物腰とは違い、男顔負けに勇ましい。
稽古を受ける数人の女人達に指南をする立場の朱里は、額に薄らと汗を浮かべながら、活き活きと動き回っていた。



「………はいっ!じゃあ、今日はここまでに致しましょうか」

「はい!朱里様、ありがとうございました!」


生まれ故郷の小田原から、思いがけず安土城に連れて来られて数ヶ月が経った。
最初は、お城の人達からは人質のようだと噂され、腫れものに触るように扱われて落ち込んでいた私だったが、最近ではようやく、秀吉さんたち武将達とも打ち解けて話せるようになっていた。

周囲の環境に慣れて、気持ちに余裕が出てくると、都合のいい話ではあるが、今度は日々の暮らしに退屈を感じるようになってくるものだ。

元来、お城の中で姫らしく大人しくしていることが苦手だった私は、小田原にいる時も馬に乗ったり、武術の稽古をしたり、と比較的自由な毎日を過ごしていたのだった。

(普通のお姫様みたいに、毎日、『貝合わせ』だの『カルタ』だの、そんな退屈なこと、やってられない……)


そういうわけで、私は信長様にお願いをしたのだ。

『家臣の方の娘さんたちに、薙刀を教える会をやりたい』と。

信長様は意外そうに私をマジマジと見つめると、くくっと、小さく笑いはしたものの、快く私の願いを聞き入れて下さった。

『貴様はまた、突拍子もないことを言う女だな。だが、そこが面白い……良いだろう、思うままにやってみるがよい』



信長様とは……心を通わせて、身体も…交わして、最近ようやく恋仲らしくなったところだ。
まだ知らないことも多くて、いつも甘やかされてばかりだけれど、信長様の新しい一面を知るたびに、私は信長様をどんどん好きになっていた。



稽古が終わると、私の部屋で皆でお茶と甘味を頂きながら、女子同士の座談会をするのが、いつの間にやら恒例となっていた。

若い女子が集まれば、話題はやっぱり恋のお話。
安土の武将達は、信長様を筆頭に美形揃いだから、当然のことながら女子達の憧れの的だ。
噂話は、大いに盛り上がる。


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