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永遠の恋〜⁂番外編⁂【イケメン戦国】

第36章 武将達の秘め事⑦


正月三が日が過ぎ、城での新年の祝いの行事も一息ついた頃


「おっ、これは出汁が効いてて美味いな!」

「政宗様、これは南蛮の食材でしょうか?このような食感のものは私、食したことがございません」

温かな湯気が立つ料理が乗った大皿が次々と運ばれてくる中、広間ではわいわいと賑やかに会話が花開いている。

ここ安土城下の伊達屋敷では武将達による恒例の飲み会が開かれていた。
年が明けて城では年始の会が開かれ、例年どおり城主である信長の主催で盛大な宴も開かれていたが、気心の知れた者同士の内輪の飲み会は、日頃は何かと気を使うことも多い武将達にとってはまた違う楽しみでもあった。

「お前ら、どんどん食えよ。酒も料理もたっぷり用意してあるからな」

両手に料理の乗った皿を持って運びながら、盛り上がる皆の様子をさりげなく気にかける政宗に、こちらもまた徳利を手に甲斐甲斐しく皆に酌をして回っていた秀吉が声を掛ける。

「政宗、お前もそろそろ座ってこっちで一緒に飲めよ…って、あ、いや、酒はナシだが」

つい徳利を持ち上げる仕草をしてしてしまった秀吉だが、政宗が酒を嗜まないことは皆が知るところだ。

「政宗様、私がお茶をお淹れしますね」

「止めろ、三成。政宗さん、茶なら俺が淹れますよ」

三成の手から素早く急須を引ったくった家康は冷ややかな表情で三成を見る。

「三成に任せたら地獄を見ることになる」

「こら、家康。そんなこと言うもんじゃないぞ?」

苦々しげにボソっと呟く家康に、秀吉が一応もっともらしいお説教を垂れるのはもはやお約束だ。

「それにしても、今年の年始の会は例年以上に謁見に来る大名が多かったなぁ」

「これもひとえに御館様の御威光あってこそだ!やはり御館様は素晴らしい御方だ!新年早々、御館様の御姿を拝見できるなど、この上なく栄誉なことだからな。皆、こぞって来るわけだ」

「はいはい、秀吉の御館様愛は年が改まっても変わらねぇな。まぁ信長様の偉大さは否定しないが…けど、何と言っても今年の大名達の一番の目当ては…」

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