第35章 昼想夜夢
「俺を煽るとは…随分と余裕があるな」
「えっ…ひゃっ…んっ…」
不敵に口角を上げて低く笑う信長の声が聞こえて慌てて唇を離した次の瞬間、視界が反転する。
ギシッとバネが軋む音とともにゴロリと寝台に横たわった信長は、自身の腰を跨がせるようにして身体の上に朱里を乗せた。
腰紐が緩み、胸元が肌けた襦袢がするりと肩からずり落ちそうになる。
「やっ……」
反射的に隠そうと伸ばした手は、信長に呆気なく捕らわれてしまう。
指先に唇を寄せ、桜貝のように愛らしい爪先にちゅっと音を立てて口付けると、朱里は恥ずかしいのか視線を逸らそうとする。
何度も肌を重ね、子まで成した女が見せるいまだ生娘のような反応が信長の男の欲をこれでもかと煽る。
かろうじて羽織った体になっている襦袢の袷に手を掛けた信長は、躊躇うことなく一息に引き下ろした。
「きゃっ…ああぁっ…」
ちゅっ…じゅうぅっ…
勢いよく溢れ出た両の乳房は雪のように白く、白桃のように瑞々しく張りがあった。露わになった美しい肌は絹のように滑らかで匂い立つような女の色気が溢れている。信長は吸い寄せられるように左の乳房に顔を近付けて…その中心の尖りを強く吸った。
「んんっ…!ふっ…あっ…」
固くピンっと尖った胸の先に舌を絡めて吸い付くと、朱里は高い声を上げて背を震わせる。
敏感過ぎる反応は信長の被虐心を煽り、口に含んだ胸の先を舌で嬲りながら軽く歯を立ててやると、朱里は堪えきれないように信長の上で身を捩る。
「やっ…だ、だめっ…んっ…」
身悶える身体を支えるように腰に回った腕に強く引き寄せられる。向かい合わせで密着した形になると、下腹部に信長の熱を否が応でも感じてしまう。
(ん…熱いっ…信長様も感じて…私を欲しいと思って下さっているの?)
信長の熱が脚の間にぐりぐりと押し付けられる感触に、心地良さとともに言い様のない渇望を感じる。
口付けと胸への愛撫だけでは物足りなくなり、直接触れ合いたい気持ちが高まって、強請るように自分から腰を擦り付けてしまう。
にゅるっ…ぐちゅっ…