第27章 武将達の秘め事⑤
「そうは言っても、皆それぞれ好みというものがあるだろう?」
光秀が口の端にニヤリと意味深な笑みを浮かべて言う。
「おい、光秀、お前また余計なことを…」
話の展開が予想できたのか、秀吉が苦々しい顔で光秀を睨む。
「さてさて、大方予想は付くが、真面目なお前の好みはどうせ正統派の正常位だろう?面白味はないが女には優しいお前らしい」
「ぶはっ…てめぇ、いきなり何てこと言いやがる。そ、そりゃまぁそうに違いないが…いいじゃねぇか、何が悪い?正面からだと相手の顔が見えるし、相手の反応見ながらやれるから色々合わせてやれるしな」
(……って、皆の前で俺は何を言ってるんだ!光秀を止めるつもりが上手く乗せられて自分から言っちまったし…)
「秀吉らしいな。確かに正面からだと女のイイ顔が見られてこっちも興奮するよな。けど反対に後ろからってのもいいぜ。四つん這いにさせて後ろから貫くと…奥まで深く交われるだろ?」
「政宗さんが言うと異常にいやらしいですね。俺は荒々しいのはちょっと苦手です。ちなみにこの本にも奥まで深く突き過ぎるのは女子の身体には良くないって書いてありますけど…大丈夫なんですかね?」
「そうなのか?激しいのが好きな女も結構いるぞ。まぁ、何事もやり過ぎは良くないってことか…で、家康は?どういうのが好みなんだ?」
「っ…やっぱり聞くんですね、それ」
「おぅ、全員答えるまで帰さねぇぞ」
「はぁ…面倒くさ…もぅ、それ聞いてどうするつもりなんですか?人の性癖聞いたところで楽しくはないと思いますけど。
っ、そんな目で見ないで下さい。言いますよ、言えばいいんでしょ…俺は…してる最中は顔が見たいんで…向かい合わせに座って…とかがいいです…相手がぎゅっと抱きついてくれたりすると嬉しいな…って、はぁ、何言わせるんだよ、全くもう…」
「お前、言い渋ったくせに結構語るじゃねぇか。座ってだと女の方が責めて動く感じか…たまにはそういうのも唆られるな」
「家康様は女性に責められるのがお好きなのですか?意外です」
「っ…そんなこと言ってないだろ。勝手に想像するな、三成。というか、お前はどうなの?」
三成の女関係は正直よく分からない。三成は物腰の柔らかさと人当たりの良さで女子の人気も高いが、そっち方面の経験があるのかないのか、皆、分かりかねていたのだった。