第14章 朝までずっと
「行くぞ、秀吉。さっさと付いて来い」
「ええぇ…お待ち下さい、御館様!色々とお聞きしたいことが…」
「知らん」
「そんなぁ……」
慌ただしく去っていく二人の足音を聞きながら、ようやく出られる解放感にホッと息を吐く。
開け放たれた引き戸から射し込む、眩しいばかりの朝の光が、長い長い一夜が終わり、明るい朝を迎えたことを実感させる。
長くて……激しく熱い夜
愛しい人の熱に溺れ、あられもなく乱れた甘い夜
冷えた冬の朝の澄んだ空気を頬に感じながらも、着物の下の私の肌は、信長様の残していった熱でいつまでも火照ったままだった。