第3章 弐 自分の未来
家に着くとまるで地獄絵図が広がっていた
『勇紀、お母さんっ…』
玄関には母が勇紀を抱き締めたまま血まみれになって倒れていた
二人に駆け寄ったが、心臓は完全に止まっていた
自分の心臓はこんなにも五月蝿いのに
横の庭で父が倒れていた
持っていた剣は折れ、白い雪は真っ赤に染まっていた
辛うじて心臓が動いていた
「…」
『お父さんっ』
私は父の元へ走った
「私は…間違っていた…を…縛り付けていた…」
父が私の頬に手をやった
その時初めて涙が流れていることに気付いた
『父さん、ダメっ…置いていかないで…』
「…自分に素直に生きてくれ…」
『!!お父さん…私っ鬼のいない世界にするから…お父さん…うぅっ…』
「私は信じてるよ…」
私の頬に触れていた手は地面に落ちた
心臓が止まった
凍える冬、私の誕生日前夜に家族は居なくなった
その事実を受け止めるかのように冷静に物事を考えていた
必然と涙は流れなくなっていた
少しすると玄関から通常の人ではない気配がした
『…鬼殺隊?』
「!……君はさんの娘か?」
『はい…鬼が来たんですね…』
そういう彼女は俯いて呟いていた
俺は何も言えなかった