第4章 参 育手
目が覚めると襖の隙間から明かりが漏れていた
顔を触ると涙が流れていた
今までは鬼になれと一方的な夢だったが、今回は心が暖まるものだった
まるで私の心の穴を埋めてくれるように
私は抱き締めていた羽織を着て育手の元へ歩を進めた
『行ってきます』
埋葬した家族に向かって伝えた
麓に向かう途中、天狗のお面を被ったお爺さんが私の目の前に来て立ち止まった
「儂は鱗滝左近次だ。で間違いないな」
『?はい』
この人が鱗滝さんだろうか
鼻で私が来ることを察知したのだろう
動きが異常だった
「よ、何故鬼殺隊に入りたい」
『…この世から鬼を消したい』
「?」
この子は何と言った?
だが当の本人は真面目な顔をしている
呆れて言葉を詰まらせた
「鬼は千年以上世の中に居続けていると言うのに…貴様に出来る訳無かろう」
『父との約束です…私はやり遂げます』
灰色の瞳は儂を捉えて離さない
この子は通常とは何か違う匂いを感じた
「…では付いてこい」
『はい』
狭霧山は空気が薄い
は小さな身体で在りながら呼吸を荒げる事なく走る付いてきた
勇の子と関係しているのだろうか、動きにも一切の無駄がなく、全集中常中も出来ていた