第2章 第二章 煉獄家へ
そして、煉獄家へ
「兄上!おかえりなさい…。」
杏寿郎の弟である千寿郎が出迎える。
「帰ったぞ!千寿郎。紹介しよう!新しい継子だ!」
『はじめまして!佐藤愛です。今日からお世話になります!』
煉獄の勢いに乗じて、大きな声を出す愛。
「兄上はいつも急ですね。愛さん、いらっしゃいませ。今日からよろしくお願いします。」
「愛には家がない!今日から我が家に住んでもらうぞ!とりあえず、客間に案内してやってくれ。」
「わかりました、兄上。愛さん、こちらへ。」
兄の急な決定には慣れているのか驚くこともなく指示に従う。
「こちらです。どうぞ、お好きに使ってください。」
通された部屋は綺麗に掃除されており、生活に不自由ないものが揃っていた。
『ありがとうございます。千寿郎様』
ニコッと千寿郎に笑いかける愛。
「いえ、何か必要なものがあればおっしゃってください。あと、僕は年下なので、固い言葉は結構ですよ。」
ポッと顔を赤らめて千寿郎はもじもじと答える。
『じゃあ、ありがとう。千寿郎くん。これからわたしも炊事、洗濯など分担するわ。色々教えてね。』
緊張が解けた様子の愛のふわりとした言い方に、また頬を赤らめる千寿郎。
「あ、あ…わかりました。まだ夕餉には早いので、先に湯浴みへどうぞ。お疲れでしょう。」
『ありがとう。でも、着替えがないの。困ったわ。』
「でしたら、後でお持ちしますので、ゆっくりどうぞ。」