第2章 第二章 煉獄家へ
意を決して愛は言う。
「あの、もし煉獄様のご迷惑は承知の上で!お屋敷で女中として使ってはいただけませんか?炊事、洗濯、掃除何でもします!!お願いします!!」
愛の目一杯に張り上げた声と下げた頭に杏寿朗は目を見開く。
『いえ、急にこんなお話迷惑ですよね…本当に申し訳ありません。』
何も返事がないことに不安を覚えた愛は早口でそう言い切る。
「頭を上げなさい、愛」
ポンと大きな手が愛の頭を包む。
スッと頭をあげると杏寿郎のきれいな目に捉われた。
まだまだ慣れない。
愛の顔がかあと熱くなるのがわかる。
「俺の継子にならないか?」
愛の目を真っ直ぐと捉えながら杏寿郎は一言発した。
『ええ?継子?』
「昨日の愛の一振りはとてもきれいだった。遠くからだったが、何より鬼に向かう目が気迫に満ちていてとてもよかった。素質がある!俺の継子になれ!」
「煉獄さーん。愛さん、困ってますよ。この子は鬼と会ったとはいえ一般人ですよ。説明をちゃんとしてあげてください。」
どこからともなく、胡蝶の声が聞こえた。
「うむ!そうであったな!説明しよう!」
知っているのだが、初めて聞いたような振りをしながら真剣に話を聞いた。
話というよりずっと煉獄さんを見ていた。
鬼を殲滅して、人々を助けること。
無惨を倒すこと。
そして、分かったことがある。
無限列車までにはまだ少し猶予があるということ。
そうとわかれば話は早い。
「煉獄様。お誘いありがとうございます。継子としてこれからよろしくお願い申し上げます。」