第12章 機能回復訓練
『じゃ…じゃあ!潰れた内臓とかを回復させる方法は?』
「はぁ、その話は続くのですね…。内臓破裂ということでしょうか?」
胡蝶もやれやれという雰囲気ではあるが、愛のただならぬ様子に答えてくれた。
「出血があれば、止血します。そして、内部の損傷具合によって、縫合するか切除するのか…色々治療を行います」
『内臓破裂は致命傷になりませんか?』
「それは程度によりますね。破裂ですからね。即死もあり得ますよ、当然」
『…そうですか…ありがとうございます』
聞きたいことは聞けた、という雰囲気で俯く愛。
膝に置いた拳をギュッと握る。
『胡蝶様!最後にお願いがあります!…応急処置の方法を教えてください』
胡蝶の目が見開いた。
『今回の任務で自分の弱さがわかりました。自分や仲間が怪我をしたとき、最低限の処置ができるようになりたいです』
凛とした顔で胡蝶を見つめる。
「…そうね。いつもすぐに助けがくるわけではないから。わかったわ。アオイに教えてもらいなさい」
愛の顔がぱあっと明るくなる。
『ありがとうございます!』
愛は体が思うように動かせない日がしばらく続くので、その間に応急処置について勉強したいた思ったようだ。
わたしは一日、一時間だって無駄にしたくない
刻一刻と無限列車の任務は迫っている
やるだけのことは全部やりたい
愛はアオイに応急処置について、習うことになった。
アオイの言葉は的確で色々と教えてくれた。
止血の仕方、包帯の巻き方、体の状態の見方…などどれもためになることばかりだった。
そうしているうちに、一週間が経ち、機能回復訓練に参加することになった。
これがまたきつい。
いや、知ってたけど
同じ継子なのに、カナヲに勝てない、敵わない
炎柱の継子として恥ずかしい
まだまだ何もかも足りない
訓練に参加しているうちに炭治郎とわたしだけになった。
「愛さんって…」
「愛でいいわ。炭治郎」
「愛って、全集中常中ってできる?」
休憩時間に話をする二人。
『んー、あと少しって感じかな。寝てる間がやっぱり難しくて…』
「…やっぱり寝てる間もするんだ」
炭治郎が絶望の顔で愛を見ている。
『大変だけど、それがんばったら強くなれるしね』