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わたしは、この日のために【鬼滅の刃】

第12章 機能回復訓練


また、朝が来た。

『ん、昨日よりはマシだな』
愛はそう呟くと、伸びをした。

『んん!さて、鍛錬できない間に色々と整理をしなくちゃ』

そう、頭の中の整理である。
自分が何を優先してすべきか。

『全集中常中は必須だよね。昼間はできるけど、寝てるときがまだまだなぁ〜』

全集中がずっとできるようになれば、基礎体力も上がり、日に日に強くなれるらしい。

『時間はたっぷりある。体を動かさない間はそれに集中!』

杏寿郎が稽古中たまにやってくれる、あのおでこに指をとんってして、「集中!」と言ってくれるのを思い出した。

わたしはあれじゃ集中できないよ
杏寿郎様の顔近すぎだもん

一人で少し顔を赤くしながら、そう思っていた。

『ええと、あとは…善逸にあの足をぐんってして速く移動するやつ。あれ教えてもらいたい』

善逸も今は蜘蛛になりかけたため、療養中である。
色々教えてもらうにはまだ先になりそうだ。

あの3人の傷が癒えて、いよいよみんなが動けるようになったとき、それは始まる。

『…それから…』
愛はそう言うと、ある場所へと向かった。
胡蝶に診察してもらうため、ギシギシと痛む体を引きずっていった。

『失礼します。診察をお願いします』

「あら、いらっしゃい」
何だか少し機嫌が良さそうな胡蝶である。

『お願いします』
そう言って、全身を見てもらう。

「はい、いいですよ。回復に向かっています。一週間後ぐらいには少しずつ鍛錬を始めても良さそうです」
胡蝶はテキパキと診察を終えるとそう言った。

「あ、ここはちゃんと消毒して薬を塗ってくださいね」
一番、傷が深い頭部を指差して言った。

『はい。…あの、蟲柱様』

「胡蝶でいいわ。何?」

『あの胡蝶様。…もしも、の話なんですけど』
愛が話し出す。

『鳩尾が貫通しても、何か治療法はありますか?』

二人の間を沈黙が流れる。

「…は?あなた頭おかしいんですか?突拍子なさすぎですね」

『鳩尾が貫通しても治療法はあるんですか??教えてください』

愛は必死に頼み込む。

「…そんなものはありません!」
胡蝶は呆れ顔でそう言った。

『…そう、ですよね。すいません。変なこと聞きました』

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