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わたしは、この日のために【鬼滅の刃】

第2章 第二章 煉獄家へ


チュンチュン__
朝日が差す。
その朝日に目をしかめながらもゆっくりと目を覚ます愛
ここは__?
薬品の匂いと清潔なシーツの匂い
そして、着ていた制服ではなく、病院服に着替えている。

「あら?おはようございます。起きたのですね。」
柔らかく優しそうに笑う胡蝶が部屋へ入ってきた。

『へ…あ…ぅ…こ、こ、こ』
胡蝶さん!!と言いたいところだが驚きすぎて、うまく言葉が紡げない。
「あぁ、驚くのも無理はないですね。わたしは胡蝶と申します。ここは傷を癒す場所です。昨日、煉獄さんがあなたを連れてきてくれたのですよ。」

『え…?』
「本当は部外者はいれてはいけないのですがね。あなたの傷はたいしたことありません。着ていたものが泥で汚れていたので、それが乾き次第もう大丈夫ですよ。」
必要最低限のことだけ告げて、胡蝶は部屋を後にした。

「む!起きたか君!具合はどうだ!?」
大きな声が部屋に響き渡る。

あぁ、眩しい。
とてもじゃないけれど、直視できない。

「俺は煉獄杏寿郎。君の名前はなんだ!?」
その声を聞いてハッとする。
『佐藤愛です。昨日は助けていただき、ありがとうございました。このような姿で失礼します。』
「うむ、愛か。昨日は大変な目に合ったな。しかし、傷も浅くてよかったな!」
『はい、煉獄様のおかげです。』
ふわりと愛が笑う。
その顔にドキリとするかも杏寿郎。

少しずつ現実味を帯びてきた。
目の前の彼はまだ生きている。
それが心底ホッとしたのだ。

「して、愛の家はどこだ?連れてきたからには家まで送ってやろう!」
『いえ、そんな申し訳ないです…が…すいません…』
黙りこくる愛。
『家はあるにはあるのですが、どうやって帰ればいいのかわかりません。昨日、わたしがどうしてあそこにいたのかもわからないのです。』
眉を下げて愛がいう。
杏寿郎が愛よりも眉を下げて
「なんと!そうであったのか!それは困ったな。」

もとより時代が違うため愛の帰る場所などない。
それはもう受け入れるしかないのだ。
それよりもわたしは目の前の煉獄さんと離れたくない。
どうしよう…
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