第7章 最終選別
あれから何日たったであろう、鬼は強くはないが、いかんせん数がが多い。
鬼を斬ることには慣れてきたし、最小限の力で切ることもできつつあった。
稽古では頭では理解していても、実践を踏んでやっと自分のものにした、という感じがする。
これが、杏寿郎様が言っていた形にはなっているが、心がこもっていないという意味だったのだろうか。
重みが違ったのだな。
そんなことをふらふら考えながら、歩いていると朝日が登った。
あ、朝だ
そんなことをポツリと思った瞬間
最終選別終了の合図が聞こえた
終わった…終わった
生き残った
生き残ったよ…!
ボロボロの体で元の場所に戻った。
…誰もいない
いたのは最初に説明をしてくれた二人だけだった。
え?うそ?
あれだけの人がいたのに?
わたしだけ?
みんな鬼に喰われたの?
実はかなり者が序盤に喰われており、残った数人で鬼の相手をしていたため、非常に数が多かったのだ。
その数の多さや疲労に耐えられず、一人また一人と命尽きていったのである。
また、愛の型は夜はとても目立つ。
そういうこともあり、どんどんと鬼を引き寄せていたのである。
「おかえりなさいませ」
「ご無事で何よりです」
無事も何も、ボロッボロなんだけど…
もう立ってるのもやっとだし、本当ならすぐに倒れたい
「隊服を支給します。階級があります」
「鎹鴉をつけさせていただきます」
「玉鋼を選んでいただきます」
マニュアル通りに進んでいく。
話が半分も頭に入ってこない。
肩に乗ってきた鎹鴉でさえ、重い…。
玉鋼、選ばなきゃ。
どれにしよう…
ぱっと見は大きさは違えどどれも同じような色だと思ったが、よく見るとほんの少し色が違うようだ。
あ、杏寿郎様の瞳の色に似てるような気がする。
これにしよう。
半分回っていない頭で好きな人のことを思い出す。
あぁ、杏寿郎様待っててくれてる、かな?
これから、帰りますよ…