第12章 大切なもの
杏:「怜1人に手当てをして欲しいと、そう言葉を残しては意識を失った。…だから怜1人に手当てをさせてくれ。」
怜はさっさと手当ての準備をしていた。
怜:「先生、絶対助けますから…。」
騒ぎを聞きつけた3人がやってきた。
炭:「どうしたんですか?」
善:「みんなすごく焦った音がしてるけど…」
伊:「騒がしいな!」
不:「が鬼に襲われたんだよォ。」
伊:「なに!?あいつにはいつも柱がついてんじゃねーのかよ!」
善:「そんな…」
炭:「どのくらい怪我を負ってるんですか!」
杏:「右腕を食いちぎられた。」
炭、善、伊:「「「!?」」」
杏:「今怜が手当てをしている。」
炭:「命が助かったとしても、右腕がないんじゃもう…」
杏:「あぁ、医者を続けていくことはできないだろう。」
善:「そんな、今日の昼まで、なんともなかったじゃないか…。そんなことって…酷すぎるよ…」
伊:「…あいつにもう、怪我診てもらえねぇのかよ。」
全員が落胆している中、胡蝶と遊に見守られながら怜は必死に手当てを続けていた。
怜:「…っ、だめだっ…血が止まらない…」
怜:(どうしよう…どうしたら止まる…?圧迫しても血が止まらないなら、焼いて止血するしか…でもそしたら、焦げた痕がいつまでも残るかもしれない…どうすれば、どうするべき?どうしたらいいんですか、先生…)
その時怜はの言葉を思い出した。
:「怜、自信を持って」
:「大丈夫よ、間違ったって、私が最後に帳尻合わせしてあげるから。安心して。」
:「怜、私は絶対に死なない。だから、あなたに治療を任せる。」
怜:(大丈夫、先生が嘘をついたことはない。絶対に死なない。痕が残ったくらいで、私を責めるような人じゃない。)
怜:「遊さん、焼きごてを持ってきてもらえますか?血が止まらないので焼いて止めます。」
遊:「…あぁ、分かった。」
しばらくして、遊がこてを持ってきた。
怜:「先生、少し我慢してくださいね…」
じゅぅぅう〜