第11章 竈門炭治郎
:「……よし…。終わった…。」
遊:「…、お前はすごいな…」
怜は2人の技量についていけず呆然としていた。
3人が処置室から出てきた。
炭治郎たちはよく眠れず、手術が終わったのを察しすぐにやってきた。
は待っていた杏寿郎にも、やってきた炭治郎達にも気付かず、壁に背中を預けてずるずるとその場に座り込んだ。
:「はぁ…。」
しのぶと、治療に来ていた不死川も様子を見にきた。
杏:「胡蝶!不死川!手術が終わったようだ!」
炭:「あなたは!何しにきたんですか!」
善:「また増えたよ今度は誰なんだよ。」
伊:「こいつも強そうだな…」
不:「あァ?おめぇかァ、とっとと消えろォ、俺は治療を受けに来たんだよォ」
しのぶは中の様子を見て驚いた。
胡:「…信じられない…あの状態から助かるはずがない…」
不:「昨日の状態を見てねぇからよく分かんねぇけどよォ、そんなすげぇのかァ?」
胡:「はい…、癸の鬼殺隊士が1人で鬼舞辻を倒すのと同じくらい凄いです…」
杏、不、炭「「「!?」」」
不:「そんなの不可能じゃねぇかァ」
胡:「不可能なことを可能にしたから驚いているんじゃないですか。」
遊もの隣にずるずると座った。
遊:「……ありがとう…お前がいなかったらきっと諦めてた」
:「1人なら誰でも諦めるよ。私もきっと諦めてた。遊がいたからできたんだよ。私だけじゃない、2人の力だよ、もちろん手伝ってくれた怜もね。」
遊:「本当に凄いよ、尊敬する」
:「それに、大切な人が死ぬのは、しかもそれを見届けるのはつらい。医者なら尚更、自分の無力さを責める。そんなこと遊に思ってほしくなかったの。それだけだよ。」
遊は大きな手で自分の顔を覆った。初めて遊が人前で見せた涙だった。
それからは炭治郎や杏寿郎たちに気付き、少し話をして、杏寿郎の家へと帰った。疲労困憊で歩けなかったため、杏寿郎がおぶりながら。